KLabの技術広報が目指す未来

この記事は KLab Engineer Advent Calendar 2021 の1日目の記事です。


こんにちは! KLab株式会社 技術統括部プロトタイピンググループ所属の@molmolkenです。

KLabでは2015年から毎年アドベントカレンダーを実施しており、今年でもう7回目の開催となります。


さて、記念すべき2021年のアドベントカレンダー初日は、私が所属しているもう1つの社内組織である、

技術広報グループ (以下、技術広報G)と、その活動が目指す未来についてお話ししたいと思います。

技術広報Gの活動

KLabでは2019年に技術広報Gが発足し、主に技術ブログ(KLablog Technology)のディレクション、自社の外部向け勉強会であるKLab TECH Meetupの開催、UniteやCEDECといったカンファレンスへの登壇サポート、技術系SNSの運用といった業務を行ってきました。

2021年12月現在、技術広報Gには東京、大阪、福岡の3拠点合わせて7名のメンバーがおり、全員が他の業務と兼務で活動しています。 (あえて兼務にしている理由については後半で述べます。)

技術広報はなぜ重要なのか?

ところで、技術広報が大事だという話はよく耳にしますが、それはどういった理由からでしょうか?

技術広報という活動を重視し、技術広報Gという組織が作られた理由は、大きく2つあると考えています。

1. 技術ブランドの向上

1つ目の理由は、KLabの技術ブランドを向上させるためです。 技術広報Gは下記のミッション・ビジョンを掲げて活動しています。

ミッション

 KLabの技術活動のプレゼンスを最大化させる

ビジョン

 世界中のエンジニアを魅了する会社


ミッションである「KLabの技術活動のプレゼンスを最大化させる」とは、技術広報を通じてKLabの技術力とエンジニアの活動を広く周知し、KLabの認知度や技術ブランドイメージを向上させることを意図しています。そのような活動によって、そこで働くことに大きな価値を感じられる「世界中のエンジニアを魅了する会社」となることを目指しています。


認知度や技術ブランドの向上は、すなわち技術広報活動のゴールの1つである採用の強化にも結びつきます。 実際に、KLabが開催/協賛しているイベントによってKLabのことを知り、採用にエントリーして入社された方が何名も存在します!

また、そうやって社内に優秀なエンジニアが集まると、自然と切磋琢磨できる環境が形成されていきます。 (私も、同僚から「著名なOSSに出したPRがマージされました!」という報告を聞いて、自分もがんばろうと何度も動機づけられました。)

2. エンジニアとしての成長

技術広報が重要な理由のもう1つは、エンジニア社員に対し、情報発信を通じて市場価値の高い人材へと成長してほしいと期待しているためです。 エンジニア個人の成長は会社の成長へと繋がりますし、市場価値を高めることで得られる「自分はどこでも活躍できる」という自信は、漠然とした不安を払拭し、他人に寛容になれる余裕が生まれます。


情報発信を行うには、頭の中にある情報を整理したり、暗黙知を形式知に変換したりする作業が必要です。こうした作業によって、その物事に対する理解がより一層深まりますし、情報の整理の過程で新たな気付きを得ることも多いでしょう。1


また、情報というものは、よく発信を行う人の元に集まる傾向があると感じています。例えば、Aさんは機械学習に興味があり趣味で勉強しているとします。その際、多少拙くても積極的に情報発信を行うことで、ある日上司から「会社の事業として新たに機械学習に取り組んでいきたいのでチャレンジしてみないか?」と声がかかるかもしれませんし、社外のエンジニアから「機械学習の勉強会をやるので登壇しませんか?」と誘われるかもしれません!


このように、情報発信を行うことは直接的な成長だけでなく、新たな成長のチャンスを得ることにも繋がります。

技術広報Gのこれまでとこれから

さて、技術広報の重要性がわかったところで、続いてはKLabの技術広報Gそのものの話です。 冒頭でも少し触れましたが、これまで技術広報Gはざっくり以下のような活動をしてきました。


  • 技術ブログのディレクション
    • 社内のTech ML 2 に投稿された内容をチェックし、技術ブログに記事を書きませんかと勧誘
    • 記事のレビューと公開作業の代行
  • 登壇サポート
    • 資料のレビューや発表リハーサルの実施
    • 広報チェックや版元監修の代行
    • SNSでの発信
  • 社外向けイベントの実施
  • 社内向けイベントの実施
    • ゲームジャムの開催
  • SNSの運用

メンバー全員が他プロジェクト・組織と兼務という状況にも関わらず、属人化を解消しフローを整えることで、このように多様な活動を行ってこられたのは大きな成果です。


一方で、技術広報Gが抱える課題として以下のようなものがあり、2022年はこれらの解消に注力していきたいと考えています。

1. ゴール設定の難しさ

技術広報のゴールの1つには「採用活動への貢献」がありますが、採用活動の性質上、短期的・直接的に成果を出すのは難しいという特徴があります。

ですので、中長期を見据えた目標を定めつつ、具体的な指標についても「(技術広報活動の結果)実際に入社した人数」といった会社の業績や他社状況に左右されやすい項目ではなく、「継続的なイベント案内を希望した人数」「採用フローへのエントリー数」といった相対的にコントロールしやすい項目を設定する必要があります。

2. 技術広報を兼務で行うことのメリット・デメリット

これまで何度か述べた通り、KLabの技術広報Gメンバーは全員が本業となるプロジェクト・組織に所属しており、兼務という形で技術広報活動を行っています。

現場でコードを書き続けることで、常に最新の技術知識を吸収することができますし、技術広報のイベントや施策を考える際にも、現場の状況に合ったアイデアを出しやすいです。また、技術広報Gと現場とを繋ぐ太いパイプを得られるというメリットもあります。

一方で、兼務ではどうしても技術広報活動で使える稼働は全体の2~3割に留まってしまいますし、プロジェクトの繁忙期にはほぼ稼働できないというデメリットもあります。

これまではメリットの方が大きいという理由で兼務体制を続けてきましたが、技術広報活動の役割がより一層重要になる昨今では、見直しの必要に迫られています。

終わりに (KLabで働く同僚たちへ)

技術広報Gは、KLabエンジニアの情報発信を後押しします!

実際に情報発信を行ってみると、思った以上に大変ですし、とてもエネルギーを使います。

例えばカンファレンスへの登壇を例に挙げてみると、資料作成・発表以外にも数多くの作業があることがわかります。


  • 資料にタイポや間違った表現がないかのレビュー依頼
  • 実際に聞き手がいる状況で発表リハーサルを行うための協力者集め
  • 会社として外部に出してはいけない情報が含まれていないかのチェック
  • 他社IPを用いたゲームのスクリーンショットを使う場合などは、版元監修の実施
  • SNSでの宣伝(技術ブログやTwitterなど)
  • 登壇後の資料や動画の公開作業

ただでさえ資料作成や発表練習で大変なのに、それに加えて上記のような内容を全て1人でカバーするのはかなり無理があります。

ですので、ぜひ技術広報Gを活用してください!

技術広報Gで上記のような作業を受け持つことで情報発信のハードルを下げ、より積極的に情報発信を行える環境を作りたいと考えています。共に成長していきましょう!



このアドベントカレンダーも技術広報活動の一つです。

参加してくれた同僚たちも、ここまで読んでくれた方も、ありがとうございます!

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  1. 私は人に説明するために情報を整理していると「よく考えるとこれって因果関係が繋がってないんじゃないか?」「論理が破綻してるな?」と気付き絶望することが多いです。↩︎

  2. 技術メーリングリスト。技術に関する話題であれば、業務で得た知見でも外部勉強会の参加レポートでも趣味プログラミングの成果でも好きな内容を投稿でき、秀逸な投稿は四半期ごとのアワードの対象にもなります。↩︎

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