(本稿はKLab Advent Calendar 2017 の1日目の記事になります)
2017年のKLabのアドベントカレンダーです。最初はoho-sです。よろしくお願いします。
VRコンテンツを作っていて、自分が作ったVRコンテンツをどんなものか説明したり共有したい時ってありませんか? ハイスペックPCやVR用HMDを持っていない人にも、雰囲気だけでも伝えたい。そんな時に便利なのが、いわゆる360°動画でのキャプチャです。 今回は、Facebookが公開している、360-Capture-SDKを使ってキャプチャしてみます。日本語での使い方の情報が探してもあまりなかったので、参考になれば幸いです。
360-Capture-SDKの動作環境は、こちらを参考にしてください。 Windows(64bitのみ)の8以降で、NVIDIAもしくは、AMDのGPUが必要になります。各ドライバのバージョン指定があるので確認してください。 対応しているUnityのバージョンは、README.mdに記載がありませんが、今回Unity 5.5.3p3 (64-bit)で動きました。一方、Unity 2017.2.0p2 (64-bit)では、動画のキャプチャはできましたが、画面の表示がされないなどの不具合が見られました。
さて、では使ってみましょう。まず、キャプチャしたいUnityプロジェクトにSDKを組み込みます。 360-Capture-SDKが公開されているリポジトリは、こちらです。 このリポジトリをcloneしてきて、 Samples/Unity/Assets 以下のEncodePackageフォルダとPluginsフォルダをそのまま組み込みたいプロジェクトのAssets以下にコピーします。
次に、EncodePackage内の、EncoderObjectプレファブをシーンに置きます。
そして、EncoderObjectのインスペクターからいくつかの録画用パラメータなどを修正などします。 負荷とクオリティを考えて、ピクセル数などを選びましょう。 EncoderObjectの位置がキャプチャの中心位置になるので、適切にPositionを設定します。少し離れた位置にすると、観客視点とかもできると思います。
最後にキャプチャをします。 プロジェクトを実行して、キャプチャしたいポイントでF2キー(デフォルトでは。インスペクターで変更可能)を押すとキャプチャ開始、F3キーで停止です。キャプチャした動画は、プロジェクトフォルダのGallery内に保存されます。
ここまでの手順で作成した動画を、そのままYouTubeやFacebookに投稿しても360°動画再生の専用プレイヤーになりません。 動画に360°動画であることのメタデータを付けてやります。
そのためのツールが、こちらになります。
展開して実行すると下図のようなダイアログが出てくるので、「Open」からキャプチャした動画ファイルを選び、「Spherical」 のチェックボックスをオンにして「Inject metadata」します。以上で新しい動画ファイルができたと思います。
通常の手段でアップロードします。FacebookやYouTubeであれば、自動的に先ほどの手順でつけたメタデータに基づいて処理してくれて、360°動画として扱われるはずです。
以上のように、比較的容易に360°動画でのキャプチャができてしまいました。 VRコンテンツのプロモーションなどに使えるのではないかと思います。 是非試してみてください。
最後に余談ですが、EncoderObjectのインスペクターを見ていると、どうもキャプチャーした動画のストリーミングができるようですが、試してみたところうまく動きませんでした。 この辺りも面白そうなので、今後調査を進めてみたいと思います。
KLab Advent Calendar 2017 の2日目は、haltさんです。よろしくお願いします。
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