こんにちは、今日は少しAndroidの開発ツールのお話をしたいと思います。
Visual Studio 2015を使ってAndroidの実機デバッグをおこなう方法とハマりがちなポイントを紹介します。
もともと社内でVisual Studio 2015でのAndroid開発環境を評価し始めたのは、Visual Studio 2015がリリースされる少し前のことでした。その時には最新のPreview版(CTP6)を使い、Android端末の実機デバッグをテストしました。
当時の個人的な感想としては、まだサポートしていない機能が幾つかあるものの、VSの操作に慣れている人にとっては大変使いやすい環境だと感じました。
Visual Studio 2015の正式リリースから時間がある程度経ち、Update 1リリースも提供されています。以前のプレビュー版で作っていた環境よりもかなり安定した環境を整えられたので、VSの新機能と共に設定上のコツなどを紹介します。
まず、導入はとても簡単です。
これだけで最低限の環境が整います。
インストールを待っている間についでに、端末の準備もしておくことをお勧めします。
次はプロジェクトのテンプレートを作って実行します。
ここで気を付ける点が二つあります。
一点目:
今まで通りソリューションへプロジェクトを自由に追加/削除できますが、AndroidApp.Packagingというパッケージング用プロジェクトは単体で作成することができません。このため、一旦追加したものを削除しないように注意してください。
二点目:
メニューバーの真ん中あたりに[Debug][ARM(チップ)][端末名]と表示されます。端末名がちゃんと表示されるかどうかを確認しておいてください。チップのデフォルトはx86なので、デフォルトのままでは端末名にNo Deviceと表示される場合があります。このままでは実機への転送とデバッグがおこなえません。
作ったプロジェクトをビルドします。
Ctrl + Shift + Bでビルドし、出力ウインドウを見たら、先頭にはこんなログが出力されます。
1>------ Build started: Project: AndroidApp.NativeActivity, Configuration: Debug ARM ------
1> ANDROID_HOME=C:\Program Files (x86)\Android\android-sdk
1> ANT_HOME=C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 14.0\Apps\apache-ant-1.9.3\
1> JAVA_HOME=C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.7.0_55
1> NDK_ROOT=C:\ProgramData\Microsoft\AndroidNDK\android-ndk-r10e\
いくつかのパスがすでに内部で設定されていることがわかります。
NDKのビルドが終わったら、自動的にantが実行され、パッケージングなどの作業を完了させます。
ここではサンプルコード中の図3の位置へブレークポイントを貼って、F5で実行してみましょう。
ブレークポイントのところで実機上の処理が中止され、ウォッチ機能でパラメータの内容を確認できます。
その後にF5で再開し、サンプルプログラムの実行が継続されることを確認できます。
ここまでで出来たテンプレートプロジェクトを拡張していくと、より複雑なアプリを開発できます。一方で既に存在するプロジェクトをVS2015で開発することもできます。
が、どちらにしても単純なサンプルを超えると何かとハマるところが出てきます。
ここではAndroidAppプロジェクトを例として、よく遭遇する注意点を列挙します。
1、AndroidApp.Packagingを改造する場合
操作自体はさほど難しくありませんが、パッケージング用プロジェクトにファイルを入れる場合、参照をリンクするのではなく、ファイルがコピーされる点に注意してください。古いファイルを一度削除し、新しいファイルをAndroidApp.Packaging以下にドラッグ&ドロップするだけでokです
AndroidManifest.xmlを入れ替えた場合のみ、プロパティの中身を確認する必要があります。Package Actionの所には必ずAndroid Manifest Xmlを選んでください(図4)。
AndroidApp.Pacagkingのプロパティには幾つかデバッグに関するパラメータがあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。
2、antに関して
antを単体で実行することも可能です。AndroidApp\ARM\Debug\Packageに対してファイルの追加/削除処理をおこないたい場合にはant debugでant単体を起動することもあるでしょう。
ただし、少し手間は発生します。
3、デバッグに関して
4.プロジェクトプロパティの設定
ここまでを一通りおさえておけば、Visual Studio
2015を使ってAndroidアプリ(NDKメイン)を快適に開発できるでしょう。
もし記述に間違いなどを見つけられたら、是非ご指摘をください。
Kyo Shinyuu
KLabのゲーム開発・運用で培われた技術や挑戦とそのノウハウを発信します。
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