ー 仕事をしながら講義を行うライフスタイルはいかがですか?ー
本業がある中で講師をしていると「普段の仕事もあるのに大変でしょう」と言われることがありますが、実際はかなりスムーズに進められています。というのも、KLabには「情報発信促進制度」という社員の自発的な情報発信(外部のイベントや勉強会での登壇など)を会社が応援してくれる制度があるからです。僕が受け持っている講義もこの制度を利用していて、講義の時間はもちろん資料準備などを含めてかなりの部分に業務時間を当てています。完全に個人の時間だけでやっていたとしたら苦労したと思いますが、こうした会社からのバックアップがあるおかげで安心して取り組めています。
ー 実際に授業を行ってみての感想を教えて下さいー
僕が担当している「ネットワーク構築演習」は2コマ×8回、計24時間の講義です。基礎的な内容とは言えども、ネットワークの仕組みを一通り解説しつつ、演習を実施することを考えると講義時間に余裕がある訳ではありません。どのトピックをどういった解像度で伝えるべきか頭を悩ませましたが、長らく実務でネットワークに関わってきた経験をもとに「役立つ知識」を伝える講義となるよう組み立てたつもりでいます。
デジタルハリウッド大学では各回の講義を終えたあとに学生が理解度や率直な感想をフィードバックしてくれる仕組みがあるのですが、新米講師にはこれがすごく有難いですね。講義の内容がわかりにくかったという事であれば解説の仕方を再考するキッカケになりますし「ずっと疑問に思っていたことがやっと理解できた」「新しい発見があって楽しい」といった反応をもらえると、これはもう素直に嬉しいです。
また、講義の枠を超えて高度な質問を投げかけてくれる学生もいて、個別にLinuxカーネルのソースコードを交えながらプロトコルスタックの挙動を解説したこともあるのですが、こういった尖った学生との出会いがあるのもすごくワクワクしますね。
ー 講義を通じてどんなことを感じてもらいたいですか?ー
講義で学んだ内容をしっかり身につけて欲しいというのは当然ありますが、ネットワークに対する「楽しさ」を感じて興味が深まってくれることを望んでいます。講義によって基礎を学ぶことができますが、決してそれが全てではありません。その先には広大で深いネットワークの世界が待っています。ただ、ここから先は学生一人ひとりの好奇心や自発的な探究心によって自ら学んでいかなければなりませんので、その一歩を踏み出すキッカケとなるような講義でありたいと思っています。
ー社会人エンジニアとして学生に伝えていきたいことはなんですか?ー
僕自身がちゃんとコンピュータサイエンスを学んでいなくて、好きなことを好きなだけやってきた結果として技術が身についたタイプのエンジニアなのであまり偉そうなことは言えないのですが、同じように技術を磨いていきたいと考えている学生に向けて一言。それは、常に「成長できる環境」に身を置くようにしましょう、ということです。成長できる環境というのは、わかりやすく言うと「自分が一番じゃない」環境です。例えば、いまあなたがある技術について学校の中で一番詳しいのだとしたら、その環境から一歩踏み出して外の世界を見てください。だいたいの人は自分が一番になるとそこで成長が止まってしまいます。そして「自分が一番」という環境はとても居心地がいいもので、そこに留まってしまうからです。
外の世界にはきっとスーパーマンのように見える人達がいるはずですので、是非ともそこへ飛び込んでください。きっとその中であなたは「出来ない人」になってしまうでしょうが、自分が出来ない人の立場になることを恐れずにどんどん先に進み、成長できる環境で技術を磨き続けてください。技術で勝負していくのはすごく大変なことです。そこを目指すのであれば、その技術に関しては自分が誰よりも一番詳しくなるんだというくらいの意気込みが必要ですので、学生のうちからそこを意識して頑張って欲しいと思います。
ご協力頂いた
『デジタルハリウッド大学』http://www.dhw.ac.jp/
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