はじめまして。KLabで演出を担当している、まぎーたです。
主にゲーム内の新イベントなどのプロモーション映像制作を担当しています。
Adobe After Effectsを主に使用し、基本的には30秒以内の映像尺で日本語版の制作を行い、
サービスを行っているすべての言語に翻訳され配信されています。
今回は映像内に記述されるテロップを3Dで制作し、なおかつ簡単に他の言語にも
簡易的に対応する手法をご紹介します。
プロモーション映像にテロップ演出はつきものです。
視聴者に伝えたい情報を目を引く形で記載する必要があります。
フォント選びでしたり、炎や雷などの演出を加えるなど、やりかたは様々です。
私の担当しているプロモーション映像は様々な国で翻訳、配信がされる前提のもので
短い期間で他言語版へのローカライズ制作が可能なテロップデザインが求められます。
今回は、そういったテロップデザインの中からAdobe After Effectsの
エクスプレッション機能を用いた、3Dテキストの作り方をご紹介します。
ポイントとしてはAfter Effectsの基本機能だけで実現でき、
サードパーティプラグインに頼らない点です。
まずは記載したい文章を用意します。
テキストレイヤーでも、Photoshopでpngの画像として制作しても大丈夫です。
ゴージャス感を出すために金色で。
①テキストを作業コンポジションに配置し、プリコンポーズしてコピーします。
コピー元の名前は【全言語対応の3D文字を作ろう!】とし、
コピー先とコピー元を分かりやすく【_メイン】【_コピー】と
レイヤー名をリネームしました。
②ヌルオブジェクトを作成し、名前を【control】とします。
このレイヤーで3Dテキストの管理を行います。
③それぞれのレイヤーの【3Dレイヤー】【モーションブラー】スイッチをオンにします。
①【control】レイヤーに、
エフェクト⇒エクスプレッション制御⇒スライダー制御を適用し、
名前を【遠近】にリネームし、数値はとりあえず2としておきます。
②【control】レイヤーに、
エフェクト⇒エクスプレッション制御⇒カラー制御を適用します。
色は今回黒系の暗い色に設定しました。
【遠近】が3DテキストのZ軸のふくらみ
【カラー制御】がふくらみ部分の色となります。
①コピーしたテキストコンポジションに【塗り】を適用
・エフェクト⇒塗り を適用
・カラーのストップウォッチを【Alt+左クリック】しエクスプレッションを開く
・以下のエクスプレッションを記載
thisComp.layer("control").effect("カラー制御")("カラー")
ピックウィップで【control】のeffect("カラー制御")("カラー")を参照しても大丈夫です。
②位置パラメータにエクスプレッションを打つ
・位置のストップウォッチを【Alt+左クリック】しエクスプレッションを開く
・以下のエクスプレッションを記載
x= thisComp.layer(thisLayer, -1).transform.position[0]; y= thisComp.layer(thisLayer, -1).transform.position[1]; z=thisComp.layer(thisLayer,-1).transform.position[2] +thisComp.layer("control").effect("遠近")("スライダー"); [x,y,z]
上位のレイヤーより【遠近】のパラメータの数値の分だけテキストのZ軸が前後するという設定です
テキストコンポジションをそれぞれcontrolに親ピックウィップします。
コピーレイヤーを更に複製することによりZ軸の膨らみを増やしていきます。
今回は20回ほどコピーしましょう。
コピーを行った回数 × 【遠近】のパラメータ(今回は2) の分だけZ軸が膨らみます。
これで【control】レイヤーの位置、角度のパラメータを調整することにより3D化したテキストを動かすことができます。
テキストコンポジション内の言語を入れ替えるだけで、
簡単に他の言語のデータも制作が行えます。
ここまでの工程を見て、AfterEffectsの3Dレンダラー機能を使えば良いのでは・・・?
と思った方も多いと思います。
演出の内容や意図、作業環境によってはそれでも良いと思います。
ですが、3Dレンダラーは一部の機能が制限されるため、
用途によって使い分けていきましょう。
■CINEMA 4Dで制限される機能
■レイトレース 3Dで制限される機能
アニメーションやエフェクトを加筆した使用例です。
言語の切り替えは、コンポジションの中のテキストを入れ替えるだけでOKです。
今回はサードパーティプラグインを使用しない3Dテキストについて解説しました。
同様の工程を行えば、テロップ演出だけにとどまらず、ロゴアニメーションなどにも応用していけます。
少しでも映像制作における演出の、お役にたてましたら幸いです。
今後も機会があればAfterEffectsの小ネタのような物を紹介できたらと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
KLabのクリエイターがゲームを制作・運営で培った技術やノウハウを発信します。
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