運用に役立つSHOTGUN TIPS

この記事は KLab Creative Advent Calendar 2019 の 8日目の記事になります。

はじめまして、こんにちは。
クリエイティブ部でSHOTGUN整備を担当しているエリヒラと申します。

はじめに

SHOTGUN、すでにご存知の方が多いと思うので、ツール概要は省きます。
日本語化してより編集しやすく、格段に導入しやすくなりました。

ただやはり...便利で多機能な分、どうしても手数が増えてしまいますね
制作者向けのマニュアル作りに苦戦されてるマネージャーの方も多いと思います。

本記事ではマネージャーもアーティストも、少しだけラクになる小技を紹介させて頂きます。
参考になりましたら幸いです。
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いいからとにかくクエリーだ!

クエリーフィールド、活用していますか?

条件を入力すると計算してくれるフィールドで、簡単なレポート作成に向いています。
...と、数字のイメージが強いですが計算して終わりではありません。
その数字は参照元のリンクとして機能するため、ページの遷移数を減らす事に活用できます。
また数字以外のデータの参照もでき、様々な情報を望んだ場所に表示することが可能となります。

①タスク一覧からバージョンを登録

タスクに新しいバージョンを登録する際、

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タスクをいちいち押して開いて、

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「新しいバージョンを作成」ボタン、押してますか。
面倒ですよね、タスク開くの。

更に、バージョン投稿後にタスクステータスを更新する運用形式が多いと思います。
そして次工程に着手するため、次タスクのステータスも変更するでしょう。
それってつまり、バージョン投稿する度にステータス更新のためいちいちタスク詳細からタスク一覧に戻る...?

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ここでクエリーフィールドの登場です。

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画像のような設定で、クエリータイプで新規タスクフィールドを作成します。
フィールド名は任意のもので構いません。ここでは仮に「VersionList」と設定します。
①表示させたいエンティティとして、バージョンを選択
②照会する条件を入力
③「バージョンの数」選択によって、そのタスクに含まれるバージョンの合計数を計算

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タスク一覧画面で、作成したVersionListの数字をクリックすると...!

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ウィンドウがポップアップします。

そう、タスクを開かずともこちらから「新しいバージョンを作成」ができるのです。
作成したバージョンをこのウィンドウから参照することもできます。

タスク一覧画面はそのままなので、スムーズに他タスクの編集が可能です。
画面遷移が少なくシンプルで分かりやすいため、アーティストの負担も少ないと思います。

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SHOTGUNに不慣れな方がバージョン投稿する際、陥りがちなのが「自分が今開いているのがアセットなのか、タスクなのか分からないままバージョン投稿」です。
アセットにもバージョン投稿は可能ですし、アセット一覧にパイプラインでタスク表示orタスク一覧にアセットリンクを表示しているフィールド構成だと特に頻発しやすい問題です。
VersionListフィールドを作ってあげると、そのような事故も減らせますよ。

②アセット一覧にショットの情報を表示する

次に、他エンティティのフィールド参照方法をご紹介します。
以下、最もよく使われるショット~アセットを例にしますが各種エンティティで利用可能な方法なので、ご希望に沿ったエンティティでご活用ください。

ショットの使い方は制作する物によって大きく変わってくるかと思いますが
どんな使い方でも、ショットの情報をアセット一覧で参照できたら...と思う場面はあるのではないでしょうか。

ショットリンクはデフォルトで用意されていますが、ショットのいちフィールド情報を参照できるアセットフィールドは存在していません。
これも、クエリーフィールドを利用すれば引っ張ってくることができます!

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ショットの「shot_text」フィールドをアセット一覧に表示させたいとします。

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アセットフィールド新規作成から、このような設定で新しいフィールドを作成します。

ここではフィールド名を「ShotComment」と仮で設定しています。
①表示させたいエンティティとして、ショットを選択
②照会する条件を入力
③今回は数計算ではなく、フィールドを参照したいため「1つのショット」を選択
④参照したいフィールドである「shot_text」を選択

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フィールド名には日本語も設定できるけど、日本語だとフィールドコードがフィールドタイプに沿ったもので自動的に割り振られるから、意図しないコードが設定されてしまう可能性がありますよ。半角英数ならばフィールド名はそのままフィールドコードに反映されます。

これでアセット一覧で作成したShotCommentフィールドを見てみると...

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このように、アセット一覧画面でそれに紐づくショットの情報を参照することができました!

勿論shot_textフィールドの内容を更新すると、こちらのShotCommentフィールドも自動で更新されます。
ショットの詳細情報を確認しながらアセットを見たい時に便利です。

③任意のサムネイルを表示させる

クエリーフィールドに関して、最後のご紹介です。
こちらはSHOTGUNをデータベースとして利用したい際に特に有効的なフィールドです。

アセットのサムネイル、最新or最古のバージョンを自動でサムネイル化して表示する便利な仕様ですが
マネージャーの方、一度は「任意のバージョンをサムネイルに設定したい」と思ったのではないでしょうか。データベースとして表を作りたい時は尚更ですよね。
それも可能とするのがクエリーフィールドです。

ただしこのやり方はクエリーフィールドだけでなく、カスタムエンティティも専用に用意する必要があります。
具体的な説明の前に、簡単に図解します。

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カスタムエンティティとアセットをリンクさせた状態で、クエリーフィールドを介することで、任意のサムネイルが表示可能となります。

バージョン投稿用にカスタムエンティティを一つ用意します。

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カスタムエンティティを新たに作成し、そこにアセット側に表示させたい画像をサムネイル設定しておきましょう。

次に、カスタムエンティティで以下のようなフィールドを新規作成します。

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こちらも仮でフィールド名を「AssetLink」と設定しています。
このAssetLinkフィールドによって、任意のカスタムエンティティとアセットを紐づけることができます。

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AssetLinkフィールドを作成後、サムネイル表示させたいアセットを指定しリンク設定してください。

最後に、アセット側でクエリーフィールドを新規作成しましょう。

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①表示させたいエンティティとして、カスタムエンティティを選択
②「AssetLink」が現在のアセットと一致するよう設定
③フィールドを参照したいため「1つのカスタムエンティティ」を選択
④参照したいフィールドである「サムネイル」を選択

このように作成してみると...

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カスタムエンティティのサムネイルが、アセット一覧に表示できました!
アセットのサムネイルとは別のフィールドになるため、画像のように通常のサムネイルも同時に表示可能です。

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このフィールドのデメリットとして、カスタムエンティティ作成~アセットリンク設定~サムネイル登録 と手間がかかるため、運用にはやや不向きな仕様です。
データベースに持ってこいではありますので、有効的な活用場面を探してみてください。

おすすめデフォルトフィールド情報

デフォルトで用意されているフィールドで、特に便利と思えるものをご紹介します。

ノート一覧の数

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先述したVersionListフィールドのノート版です。
VersionListと同じように、ノートの投稿・参照が可能です。アセット/タスク両方のフィールドに用意されています。

アップロードしたムービー

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こちらはバージョン一覧に表示できるフィールドです。
表示すると投稿したデータ名が記載されており、クリックすることでデータをダウンロードできます。

バージョンビューを開かずともダウンロードできるとても便利なフィールドですので、標準的に表示しておくことをオススメします。

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アップされているデータがPNGやJPEGなど画像データの場合、クリックするとダウンロードではなくブラウザ上で画像が表示されてしまいます。
画像データをこのフィールドからダウンロードしたい場合は、
「アップロードしたムービー」上のリンクを右クリック
→「名前を付けてリンク先を保存」を選択
この手順でダウンロードできますよ。

最後に

SHOTGUN公式サポートページに記載されている文章を引用します。

増やすより、減らすことに努める

Shotgun でできることが多岐にわたるため、ページに多くの情報を盛り込みたくなります。しかし、これはお勧めできません。シンプルなページであるほど、ユーザはより短時間で有効に活用できるものです。

引用元:SHOTGUNサポート/ベストプラクティス

SHOTGUN、シンプルにもできるし、情報を沢山入れる事もできます。
マネージャーは闇雲にアセットを量産するのではなく、どのように使っていくのかの運用方針を固め、実際に構築の際はそのページの利用者は主に誰なのか、誰のためのページなのかをしっかりと考えた上で、構築を進めていくとブレなくて良いと思います。
SHOTGUNユーザーの方々に本記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。

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