ArnoldレンダラーとMaxを使用して、それっぽい作品を30分で作る方法

はじめに

この記事はKLab Creative Advent Calendar 2019 の 5日目の記事になります。

こんにちは。クリエイティブ部所属のUchiと申します。

主に3Dキャラクターや背景プロップ等のモデリングを行っています。

今回はMaya2018に付属しているArnoldレンダラーを使い、既存のモデルをアレンジして、簡単にそれっぽい作品を作るTipsを紹介したいと思います。

私自身そこまでハイエンドなモデルを作る機会がないため、記事を読んでくださる方の中には目に余る部分があるかと思いますが、その点ご容赦いただけたらと思います。またMayaの基礎操作を習得している方向けに記事を作成しており、細かな説明は飛ばしております。

今回の内容

今回はチューブ状にレンダリングしたカーブをモデル形状に合わせて作成し、30分でそれっぽいものを作成します。本日扱うのはこちらのモデルです。

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それっぽい作品を

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弊社のモバイルオンラインRPG『禍つヴァールハイト』で使用しているラコという名前の、3000ポリゴン程度のローモデルです。こちらをベースにアレンジしてみたいと思います。

モデルのトポロジーを変更する

それでは早速やってみましょう。まず適当なポーズをつけ、元のモデルをハイメッシュのモデルに変更します。今回は静止画を制作するのでウェイトは外しました。

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この段階でのメッシュの流れは汚くて構いません。あくまでベースとして使うので、後々の作業にあまり影響しないためです。

その後一度3dsMaxにモデルを持っていき、トポロジツールを使ってメッシュの分割を好きな形に整えます。3dsmaxのトポロジツールはオブジェクトのメッシュのサブディビジョンを手続き的に生成されたパターンに作り直すツールです。

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これで大体の形状を保ったままトポロジーを変更することが出来ます。

少し重そうなので、ポリゴン数をプロオプティマイザーモディファイヤで削減したり、メッシュの調整を手動で行います。大体1万以下くらいのポリゴン数で、できるだけガチャガチャした不揃いなメッシュ形状にします。今回は約6500ほどに調整しました。

こちらのモデルをMayaに戻します。作例では中身はありませんが、表面に蔦が這っているような表現にしたいなぁと思ったので、各フェースを分離し個別にスケールをかけます。これで図のような穴の空いたモデルが出来ます。

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こちらからエッジを抽出しArnordでレンダリングしたいのですが、普通にエッジ抽出するとMayaが強制終了してしまう危険性があります。そこでトゥーンシェーダを割り当て、ペイントエフェクトからカーブを抽出します。

作成したカーブをセット化し、以下のアトリビュートを追加します。

  • aiCurveShader

    • カーブ自体のシェーダになります。

  • aiCurveWidth

    • レンダリングするカーブの太さを設定します。

  • aiMode

    • レンダリング時の形状を設定します。

  • aiRenderCurve

    • レンダリングの有無になります。

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追加すると画像のように追加のアトリビュートの箇所に追加されるかと思います。

ここまでで約15分程度、あとの15分は好きなマテリアル設定およびライティングでレンダリングすれば完成です。今回の作例では30分以内が目標でしたので簡単な金属のマテリアルにスタジオ照明のようなライティングにしましたが、埃(ダスト)を追加したり、もっとライティングに凝ると面白いものが出来るかと思います。

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終わりに

いかがでしたでしょうか。元がローポリゴンのモデル、しかも30分足らずのアレンジでも情報量を足してやることでちょっとそれっぽいものに見えます。

ちょっとしたTipsを沢山自分の引き出しに入れることで、より良い作品作りに繋がります。こちらの記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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